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ヤマサ醤油の研究開発の成果が
HIV-1治療薬として米国FDA承認へ
380年を超える歴史と革新が医療分野にも貢献

ヤマサ醤油株式会社(本社:千葉県銚子市、代表取締役社長:石橋直幸、以下「ヤマサ醤油」)は、長年にわたる研究開発と社外連携により創出した成分を使った新しい医薬品が米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことをお知らせいたします。

この医薬品は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下「MSD社」)のヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)治療薬「イドビンソ®(一般名:ドラビリン・イスラトラビル水和物配合錠)」です。日本では2026年3月6日に、さらに2026年4月20日にアメリカでも承認されました。この治療薬にはドラビリンとイスラトラビルという2つの有効成分が含まれております。ドラビリンはMSD社により開発された非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)で、すでに「HIV-1感染症」の効能又は効果で承認されています。一方、イスラトラビル(4′-ethynyl-2-fluoro-2′-deoxyadenosine, EFdA)は強力な次世代のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)で、ヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害薬(NRTTI)というクラスに分類される画期的な新薬です。イスラトラビルは、ウイルスDNAに構造変化を誘導してDNA鎖の伸長を停止させるとともに、逆転写酵素が次の基質(ヌクレオチド)を取り込むための位置に移動する“トランスロケーション”を阻止するという、複数の機序で逆転写酵素によるDNA鎖の伸長を停止させ、HIV-1の増殖を阻害します。この強力かつ複合的な阻害作用により、少ない投与量でも持続的な抗ウイルス効果を発揮することが期待されています。ヤマサ醤油は1990年代より、核酸関連物質の抗ウイルス薬への応用を視野に研究を進めており、2000年代に、社外研究者との共同研究を通じて、このイスラトラビルの分子設計、合成および薬理評価に携わってまいりました。その後、2012年に当社はMSD社とライセンス契約を締結し、イスラトラビルはMSD社によりHIV-1治療薬としての開発が進められ、今回の承認に至りました。

ヤマサ醤油は、醤油醸造に関連する微生物および発酵の研究と並行して、核酸系うま味調味料の研究・開発を起点として、長年にわたり核酸関連物質の研究開発および製造を行っております。1950年代に核酸系うまみ調味料である5'-イノシン酸および5'-グアニル酸の工業的製法を確立して以来、核酸関連物質に特化した技術を発展させ、医薬品原薬・中間体をはじめ、食品添加物、化粧品、その他各種工業用途へと展開してきました。イスラトラビルの創製は、こうした当社の核酸分野における研究開発が、人々の健康や医療の進歩に貢献した一例であると考えております。

今回のFDA承認は、世界のHIV-1感染症対策における重要な前進であり、その一端に携わることができましたことを、当社一同、心より誇りに感じております。また、MSD社をはじめとする多くの関係者の皆様のご尽力により、この度の承認に至ったものと深く感謝しており、この場を借りて厚く御礼申し上げます。